チ。とは

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友人に勧められて読んでみた漫画「チ。」

チ。-地球の運動について- – wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%80%82-%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6-

地動説を信じる人々が、拷問や脅迫にさらされながらも真理を信じる姿勢を貫き通す様を描いた漫画である。

哲学や知性というものは、冷静で客観的でクールな存在だと思われがちだが、本当は熱い魂と共にあるものであって、どこまでも人間的で生命力に溢れているものである。

チ。―地球の運動について― (1) – 2020/12/11

チ。―地球の運動について― (2)

チ。―地球の運動について― (3)

チ。―地球の運動について― (4)

チ。―地球の運動について― (5)

チ。―地球の運動について― (6)

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「君らはこの世の絶望から目を逸らす為に、あるかもわからぬ天国に逃げてるだけじゃないのか?」
「フン!貴様の狙いはわかってる。そうやって不安を煽り我々を絶望へと突き放したいのだろう。」
「いや、君らが絶望”を”、突き放しているのだ。

中略

人は悲劇を肥やしに、時に新たな希望を生み出す。その場しのぎの慰めなんか現実を変えやしない。だが、芯から湧き出た苦悩は、煮詰められた挫折は、或いは君の絶望は、希望に転化し得るのだ。なのに君らは絶望に目を塞ぎ、誰かがくれた死後の保証つきの人生を生きてる。そんな人間に希望など訪れない。

中略

ふっ、”異端”か。君がそう呼ぶ者を何故恐れるかよくわかるぞ。異端が理解不能だからではない。寧ろ逆だ。君自身が心の底では、天国を信じ切れていないからだ。」
「勝手なことを言わないでください。」
「『こんな辛くて混沌とした大地に生まれたのに、本当は天国なんかなくて、ただ死んで終わりかも』そう思ってるんだろう。」
「そんなこと思ってません。」
「不安になるのはよくわかる。死後の予定が揺らぐのは辛いだろう。」
「もう黙ってください。」
「しかし君は、いや人類は正面から向き合うべきだ。」
「やめてください。」
「麗しの天国なぞ、ないのかもしれないということに。
だがこの地球は、天国なんかよりも美しいということに。」
「な・・・何をバカな。」
「君だって、本当は信じたいだろ?
この星は生きるに値する素晴らしい何かだと

中略

さて、事態を理解しているかね。
今夜、君達はこれから少しの間だけ、恐らく人生で初めて、自らの運命を変える挑戦権を得ている。
一生快適な自己否定に留まるか、全てを捨てて自己肯定に賭けて出るか、どちらを選ぶも自由だ。さァ、どうする。」

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こういうスタンスというのは、哲学や知性の根本にあるものだと思われる。

テレビを見ても、本を読んでも、政治家の言動を見ても、だいたい、その場しのぎで、浅くて、耳触りは良いが本質を欠いているモノばかりが溢れる現代日本で、死ぬ気で本質に向き合う勇気こそ、あらゆるものを救う根底にあるものだと思った次第です。

この漫画が大ヒットしている現状を見る限り、同じように思っている人は多いのかもしれません。

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